花火 伊藤

先週の日曜日、花火が見えました。閉店直前のピアゴに滑り込んで立体駐車場に車を止めていると、北のほうの空から音がして花火が上がっていました。 ひとつ上がって次のもうひとつが上がるころに、ドーンと音が聞こえてくる。それぐらいの距離感でした。立体駐車場はなかなかの特等席で、見物している夫婦が1組いました。

最近の花火は小さい頃に見たものとはだいぶ違ってきています。単純に丸いものはほとんどなく、楕円やハート型、指輪みたいな形、太鼓みたいな形、実にいろいろな形があって、アニメのエンディングなんかで「そんな形の花火あるわけないだろ」って言ってたような光景が、駆け込んだピアゴの立体駐車場から見えたりするのが現代です。

形がいろいろ増えてすごいなぁなんて感心したりするものの、しばらく見ていると何となく物足りないような気もして、昔からずっとあるようなジワジワジワーって枝垂れ桜みたいになる花火が、実はいちばんグッとくるなぁと思ったりもしました。あの花火を見ると、紅白で金色の衣装を着ている美川憲一を思い出します。

今晩も、きしめん屋の猫が鳴いています。