ニッケル 伊藤

むき出しの鉄は錆びてしまうので、生活で目にする大概の鉄部品は錆びないようにメッキがされています。白っぽい、悪くいうとあまり高級感が無いのがニッケルメッキだと思います。ちょっと黒光するような高級感あるのはおそらくクロムメッキです。メッキの機能的な目的は表面をコーティングして中身の母材を守ることなので、メッキに使われるということは耐食性が高い材質といえます。鉄にクロムを18%程度混ぜた合金をフェライト系ステンレス、更にニッケルを8パーセント足すとオーステナイト系ステンレスとなります。どちらも錆びにくいですが、オーステナイト系の方が高温でも錆びにくく、熱伝導率が低く、切削など強い応力がかかると加工硬化する性質があります。オーステナイト系で現れてくる性質は、ニッケルが加わったことでニッケル的な性質が鉄に付加されたイメージなのかと思います。ニッケルの割合が更に増え主成分がニッケルとなった物がインコネルで、ステンレスに比べて高温にさらされても錆びない、強度が落ちない、という性質が必要な物に使われるようです。ニッケルの魅力というのは、こういった性質なのかと思われます。