価値の合理的な保証 伊藤

平均株価が30年で10倍とか、お金に働いてもらうとか、価値の実態が伴っているのかどうかよく分からないようなお金の膨れ上がりのようなものを感じると、お金の価値が壊れてしまいそうな気がしてくる。お金の価値は国家が保証しているのかもしれないけど、もっと確かな保証が必要だったんじゃないかと思う。お金の出自、みたいな。手元にある1円が、誕生して誰から誰に取引されて何と交換されてここに至るのか、履歴が残っていて欲しい。こういう経緯があってこの1円にはちゃんと価値がある、と合理的な保証が欲しい。合理的な保証ができる仕組みが出来た上で、確かな出自の無いお金を認めるべきかどうか、認める場合どの程度までなのか、価値の実態濃度みたいな評価基準を作るのも良いのでは。経済は根本的なルールが曖昧なままなし崩し的に動き出して、地球全体で複雑に絡み合いして、このままでこの先どうなってしまうのか誰もよく分からないし誰も責任が持てない。価値の倫理ぐらいに立ち戻ってルール作りやり直せればいいのに、と思う。