吸蔵と脆化 伊藤

水素の吸蔵では金属の中に水素が取り込まれます。水素に晒されている部品が脆くなってしまう水素脆化でも、金属部品の中に水素が入ってしまって脆化が起こるとされているようです。どちらも金属の中に水素が入る同じ現象ですが、貯めるという観点では金属の中にどんどん入って欲しいが、機械特性の維持という観点では入って欲しくない。水素脆化が起こりにくい材質にはどんなものがあるのか、単純に考えると水素と反応しにくい元素が周期表右寄りの物質なのかと思うのですが、どうでしょうか。調べると、SUS316はJISでお墨付きがあるようです。SUS316は、一般的なステンレスSUS304に対してニッケルを更に多くそれからモリブデンを追加した物です。水素と反応しにくい元素にFeがあるので鉄だけでも良いのかというと、そうでも無いようです。どうもニッケルがある程度多いのと、伸びが良いという機械的特性が重要そうです。ニッケルは吸蔵合金でも使われる場合もあり、ニッケルの何がそんなに良いのか気になります。