投資を悪く見ると 伊藤

明治時代ぐらいであれば、投資家は大きなお金を持っていて投資を生業とするような大きな投資家だけだったかもしれないけど、今はちょっと余ってるお金を銀行に貯蓄してても増えないから投資にまわす小さな投資家まで、NISAの手助けで投資する人の裾野がどんどん広がっていると思う。たぶん、余ってない生活資金まで投資にまわしてしまう、借金までして投資にまわしてしまう、というところまで広がっていくかもと思う。冷静に考えると生活資金と投資資金はちゃんと距離を置くべきで、例えばリーマンショックみたいな不況を想定してみると、不景気になる・投資資産がマイナスになる・同時に会社が倒産し収入を失う・生活のためにマイナスになっている投資資金を取り崩す、という負の連鎖が起きうる。そうならないようにするためには、不況時でも株価が回復するまで投資資金を取り崩さないで済むだけの生活資金を手元に置いておく必要がある。不況から回復する期間は前例だと5年ぐらいだそうで、そもそもそれすら確保できないのに投資に回せるお金などあるはずがない、というのが正直な感想。それでも手持ちのお金を何とか増やしたい心情から、安全をギリギリまで削ってNISAにまわすことになる。株価が上昇している時には何も問題は無いが、不況時に激安になった株を、生活のためにわざわざ激安状態で売らなければいけなくなるリスクがあり、不況に対して脆弱なのが小さな投資家。激安になった株は絶好の買い時で、このタイミングで買うことが出来るのが大きな投資家なのかも。悪い見方をすると、小さな投資家はNISAと株高で株式市場に主役みたいに誘い出されたけど、注文の多い料理店みたいに実は食べられる方なんじゃないかと思える。