いい気分の歌声 伊藤
家の前の道は、車がびゅんびゅん通るにはちょっと狭い道幅で、車の交通量は多くありません。それなので自転車で通にはちょうどいい道幅といえます。夜もちょっと遅い位の時間になると、いい気分の歌声をばらまいて自転車で通り過ぎる人が、ちょくちょくいます。言葉のある歌と鼻歌の中間ぐらいの発音で、きれいに音程を取るわけでもなく、何かの曲なのかどうか判別が不能です。気分の良さだけを純粋に抽出した即興のようでもあり、先鋭的な酔っ払いがこの付近には沢山いるものだなぁと思っていたのですが、どうも最近になって、トンガリ方の方向性に妙な統一感があるような気がして、というか今までのこれ、全部同一人物なんじゃないかっていう気がしてきました。