商店街 伊藤
日本の商店街を研究対象にしているカナダ人の文化人類学者の人のドキュメンタリー番組があった。ショッピングモールと商店街の違いの話の中で、ショッピングモールは主催者が想定する商店がある程度画一的なスタイルで並び、主催者が想定した客が便利に買い物できる空間があり、全てトップダウン的に整理されているのに対し、商店街はカオスなのだけどゆるく複雑な繋がりが不思議なバランスで成立(成立させようとする主催者がそもそも不在なのに)しているのが魅力だそうで、そう言われると日本人が持つ独特な横意識がそのまま結晶化したような場所なのかもと思った。そこで出てきた商店街は下北沢や大須のようなポップカルチャーっていう言葉が似合いそうな商店街で、ポップだのカルチャーだのとは無縁そうな田舎の商店街はまた別のような気もするけど、日本風の横意識が結晶化したようなという点においては、同じに感じる。クセの強い店だなーと思いながら、それを楽しんだり、存在を当たり前に認めたり、良いふうに捉えるなら懐が深い。多様性が確保されている、いちいちコンセプト立てずとも。この商店街の要素は生活道路を考える上でも重要だと思う。優れた横感覚で構築された生活道路、が主催者無しで無意識に成り立つ可能性が日本人にはもしかしてあるかもしれない。




