廃止になる時 伊藤
日本の人口はどんどん減っている最中で、人間の住む領域と山との境界線がだんだん後退している、と熊目線では感じるのかと思う。人間の気配が最近無いなーと思ってちょっと近寄ってみたらやっぱりいなくて、もうちょっと攻めてみてもまだいなくて、結構もっと行っちゃって良いんじゃない?みたいなことを熊感じていたりして。人が減って街が縮小していくと、廃止になる道があるはずで、廃止になるまでは国だったり県だったり誰かの管理下にあった道が今日からは打ち捨てられます、っていう瞬間がどっかにあるんだろうか。テレビ番組の道との遭遇を見てると侘び寂びたっぷりの廃道がいっぱい出てきてとても面白く、廃道になった経緯も調べて教えてくれたりしていて、大体は新しい便利な道ができて旧道が廃道になっていくケースだったと思う。これとは違って限界集落の端から徐々に山の側にひっくり返っていくような時にも道は廃止になるだろうし、もう何年もしたら都市の中にも自治体が管理を諦めちゃったような道が出現してくるんじゃないかと思う。侘び寂びで楽しんでられるうちは良いけど、今のうちから上手な道の廃止の方法を考え始めるべきなのかと思う。




