1人分 伊藤

親の世代よりざっくり貧しくなったと感じる感覚はまっとうなのか、物化上昇を踏まえた平均所得はどんどん減り続けている、といった話が数字を交えつつ書かれていたりする。基本的な食品の価格は上がったなぁーと思う反面、テレビで業務スーパーの特集とかを見ると、松下幸之助の水道哲学よろしく更に安価に手に入るようになった物も増えたように感じる。良さそうなイメージの物はびっくりするぐらい高い値段でもどんどん売れるという話もある。安いものは更に安く、高いものは更に高く、両極化しているような、裾野がどんどん広がって多様化しているような。お金で表現できる価値は数直線的な広がりしか持てないので、多様化というほどではないか。水道哲学的に安くなった物でしのげる物はしのいで、そこで余らせたお金を掛けたいものにしっかり掛ける、となるはずが、身の回りは水道側のものばかりになっているような感覚。水道側のラインナップが充実することで生活のコストカットがどんどんできるようになったけど、そのどんどんと同じかそれ以上のスピードで可処分所得が減ってるような感覚。この貧富感は世代間の相対的なものの話だけど、地球の人間社会の中での一人分の権利、という視点を作るとまた違った見え方がして来そうな気がする。