振動数の比率 伊藤

音の振動の速さは1秒間の振動の回数、ヘルツで表現されます。440ヘルツと880ヘルツの振動比は1:2でちょうど1オクターブ関係です。この2つの音はとても調和していて、楽器の音色によっては一つの音に聞こえてしまうぐらいです。たいがいの音には音程として聞こえている基本の周波数に加えて、整数倍の周波数の倍音が混ざっていて(倍音の無い音は、聴力検査のプーっていう音)、例えばピアノの440ヘルツのAの音には、880ヘルツ、1760ヘルツ・・・の倍音が含まれています。1オクターブ上の880ヘルツのAを加えて鳴らすことは、440 ヘルツのAの倍音を補強しているような状態と感じる、と理屈で考えることができるかもしれません。次によく馴染む周波数の比率は2:3です。そして3:4、4:5、5:6・・・となって、比率が複雑になるにつれ感覚として不安定感が増してゆきます。